発達障害

【発達障害】転職を繰り返したADHDの私がフリーランスになった理由

どうも、ライター歴がついに10年を突破したけど、相変わらず底辺を漂うわたぬきです。スケジュール管理苦手だからね!!だいたい締切前にあわくってのたうち回ってるよ!!

さて、発達障害の諸氏は、仕事に関して二極に近いんじゃないでしょうか。

「人間関係辛い、対人関係キツい、会社でなんか浮いててしんどい、仕事が安定しない」

または

「発想力や行動力、集中力を活かした分野でゴリゴリと仕事しまくり」

できるなら後者がいいよね。でもこのページを見てるってことは前者だと思う

私もこの2つを行ったり来たりしては、仕事なくなって借金もしたし、職場で上手く行かず即辞めたり鬱にもなった。

ちなみに転職歴は5回だよ!!そのうち1回に至っては3ヶ月で辞めたさ!!

結局フリーになった今でも、発達障害特有のあれこれで失敗しまくる。

それでも最終的にフリーランスという生き方を現状のベストとしたその理由を、発達障害で就業に悩む人の助けになるといいなあと思いつつ語りたい。

最近はリモートワークも増えたから、そのへんも一緒に話していこうと思う。

対人の摩擦係数が減るから、発達障害にはフリーランスやリモートワークのほうが楽だ

発達障害の当事者諸氏は「入った時は高評価なのに段々評価が下がり、最後は地面にめり込むような低評価で石もて追われる」ような経験をしたことはないだろうか。

そう、瞬発力を発揮して最初は「いい子」なのだ。活躍を期待され、持ち上げられ、鳴り物入りになることも多い。

就労開始直後はバリバリ仕事ができたり、会話が上手かったりする。だから面接では高評価を得やすいし、期待値も高く、職場でも最初は上手くいく

しかし、ずっとそれを続けてはいられない。段々とフルパワー対応のときと、気が抜けているときの振れ幅が出てくる。

そうすると最初の評価が良かっただけに「あれ……なんか、こいつ変?」の落差が大きくなってくる。

職場で常時接触していなければいけない人間関係だと、接触面積の大きさから摩擦係数はどんどん上がり、お互いに「こんなはずじゃなかった……」になるわけだ。

毎日同じ空間を共有する継続した人間関係の場合、「ちょっとやらかした」が累積してしまい、手のつけようがなくなってしまう。最終的には「あいつ使えない…」となり、居心地の悪さから退職を選択するか、心を病むかのどっちかになる。

対して在宅フリーランスの場合、基本的にはメールや電話、短いミーティングなど、点か僅かな接触面積でのみクライアントと触れることになる。

つまり人と触れる瞬間だけ全力で「いい子」になればいいから、双方にとってすごく楽な状態になる。

それ以外に、フリーランスになった理由っていうのは、ぶっちゃけてしまってまったくもってミリもない。

だって、普通に働けるなら勤め人のほうが絶対に楽だもん。

普通の勤務における毎日の摩擦係数問題は、リモートワークでだいぶ軽減された。だからフリーランスを選ぶより、フルリモートワークが可能な職場を選ぶという選択肢もある。

要は毎日顔を合わせて空気を読むことにリソースを割かれない状況なら、発達障害の当事者にとって、対人問題は死活問題にまでならないのだ。

別に発達障害がフリーランスに向いているわけではない

まず先に、この点については強く言っておきたい。

発達障害=フリーランスに向いてて活躍できる!!は幻想。

もし「フリーランスになりさえすれば現状から解き放たれて、バリバリ仕事をして輝ける!」と思っているなら、それは大間違いだ。

相談を受けると「期待しすぎだなあ」と思うことが多いので、改めて強調するけれども。
フリーランスという働き方は、決して「社畜構造から解き放たれた最高の働き方」じゃない
し、会社や組織で「普通」に上手くやれないことのジレンマを解消してくれはしない

むしろ、今までは他の部署の人間が処理してくれていた、経理や事務、営業その他もろもろが全部自分一人にかかってくる。

さらに仕事を個人で請け負うというのは、様々な人とのつながりを維持するために、瞬間的な誰かとの接点が毎秒来るような状態でもある。

自己管理が苦手な人間にとって、この上ない緩やかな地獄の始まりになってしまう可能性もあるのだなあ。私が今まさにそうなんだけども。

専門性と職種によるのは普通の人と変わらない

仕事の内容によっては企業や組織に属してないとできないものも多いし、とにかく各自の専門による。

学術系はやっぱり個人でやるのに限界があるし、機械系、化学系、医療系もろもろ、一人でやるのに向いていない職種はたくさんある。

加えてフリーランスに多いSEの場合、客先常駐型は実質、会社勤務とあんまり変わらなかったりする。

カメラマン、ライター、デザイナーなどの基本スタンドアロンな職種も、社内常駐型の案件は通常勤務と大差ないし、収入アップを目指すならやっぱりある程度は接触面積が増えていく

それ単体で道を極めて高単価になればいいけど、大概の場合、ディレクターなりプロデューサーなりコンサルなりと、制作の上流工程に移っていくからね。上流工程では人との繋がりが大量に発生してくる。

一方で意外にも、会社に密着してそうな事務や経理、営業にもフリーランスは存在する。
とにかく自分をどの切り口から売り込むかというのが大切なのだよね。

その点においては、定型発達だろうが発達障害だろうが関係ない話なのだった。

スケジュール管理が苦手な発達障害には、自由は諸刃の剣でもある

とにかく、フリーランスは納期厳守が基本。

納期を守れない人間は、相当に優秀で代替が存在しないレベルでもない限り、遠慮なくスパスパ切られていく。

私もお恥ずかしながら何度もやらかして、何度も客先から切られてる。

発達障害の、特にADHDは「絶対やらなきゃいけないこと」の先延ばし癖と、締切からどれくらいなら間に合うか逆算する癖があるわけで。

ASDには完璧にやらねば!!という強迫観念に近いものと、譲れないマイルールがあるわけで。

これが組み合わさると、経験上、かなり悲惨なことになってしまうんだなぁ。

本来フリーランスは自分のスケジュールとタスク管理は綿密に、なにか起きたときにバックアップ要員がいないからバッファーは大きめに取る習慣が必要なんだけど…まあほっといてカツカツになることよくあるよね。

あと、管理が甘かったせいで次々案件を受けた結果、納期のブッキング。

間に合えばいいけど間に合わなかった場合……まあ、そのお客さんから次の仕事は来ないよね。

スケジュール管理が苦手な発達障害にとって、誰かが管理してくれたりバッファー要員になってくれないフリーランスの場合、人との摩擦が減って自由になる代わりに仕事がなくなってカツカツになっていく可能性のある、諸刃の剣でもあるわけだ。

リスクはあれど、やっぱりフリーを選ぶわけ

社会的に真ん中やや下あたりにいる発達障害の当事者である私にとって、少ない換金リソースを安定して運用するには、対人摩擦係数を下げる必要があった

「やりたいこと」と「やらなきゃいけないこと」の取捨選択にかかるストレスを考えた時、単純な8時間の拘束時間は私にとって最高にストレスフル

なにか突出した才能や資格、技術を持っているわけではないから、「あの人、行動に問題はあるけど、〇〇はすごいからしょうがない」と言ってもらえない。

当然風当たりは強くなり「適当でいい加減で人の話を聞いてない、空気読めてない、仕事する気あるのか、真面目にやれよ」と言われる。

不真面目に遊んでるわけじゃないんだが、いわゆる「神が降りてる」状態じゃないと過集中ゾーンに入れないだけなんだよぅ…邪魔しないでくれよぅ…って言っても、普通の人には通じない。

この状態は、双方にとって大変良くない。普通の勤務では私は自分の能力を活かせず、相手はリソースを使えない。

あと、勤め先で上手く行かなくなるまで気づかなかったんだが、

普通の人は恒常的に思考していないし、薬キメないかぎり過集中ゾーンに入ってトランス状態にもならない。

対人摩擦係数を下げるには、人と点で接するフリーランスがいい。

私は集中して処理したい時と、気を散らして他のことをしながら考え事をしたい時間を自由に使える。

相手は期待した水準の成果物を、期日通りに回収すれば事なきを得る。なにやってんだかわからん私にイライラしなくていい。

ということで、フリーライターを選んだわけです。

フリーランスとして発達障害者が上手くやっていく5つのポイント

この5つを押さえておけば、ひとまず発達障害者がフリーランスとしてある程度の飯を食っていくことはできる。

ということを、私の経験から最後に紹介しようと思う。

これだけ守っとけばとりあえず食える

  1. 見たくなくても面倒でも、とりあえずメールの返事はすぐしよう
  2. たとえ品質が自分の満足に達してなくても、締切だけは絶対に守ろう
  3. 独りが良くても孤独は良くない、ゆるい仲間を作ろう
  4. 自分の得意分野に対してコスパのいい仕事をしよう
  5. SNSでイキらない

とにかく相手は普通の人だから発達障害的なめんどくさがりや、逃避して見たくない時の梃子でも動かないヤツを許容してはくれない。お客様です、相手はお金だと思え。

メールと電話は早くしよう、めんどくさいならSlackやChatWork、LINEなどなど自分が常駐しているツールに引っ張り込んで連絡を取るようにしよう。レスポンス大事。

品質にこだわって締め切り破るぐらいなら、腹くくって締切優先。アウトプットがなければ相手からはなにもしてないのと同じ。凝り性発揮しない。ダメ絶対。

孤独は視野を狭くする。独りで仕事をするのと孤独に生きるのは別の話。ゆるっと気楽に話せる仲間を作っておこう。ホントフリーを長続きさせるのはこれ。

仕事の単価だけがコスパじゃないのよ。単価がよくても工数がかかるならそれはコスパが悪いのよ。ということで、自分の得意分野と工数に対してコスパのいい仕事を選ぶべし。

あとSNSでイキらない。ホント大事、SNSは便利な反面デジタルタトゥーにもなりうる場所だから、意識高い高いフライハーイしすぎたり、誰かにマウントしない。

フリーになりたてのハイな状態だと余計なことを口走りがちなんだけど、大体それ、何年後かに顔から火を噴くハメになる。

 

ABOUT ME
わたぬき
人生脱線しっぱなしの、アラフォーのゆるいおひとりさまライター。 人生の3分の2を腐女子として熟成して過ごし、漫画もアニメもゲームも大好き。 普段はIT系の情報系コラムや記事の他、取材やインタビューを中心に地域情報やライフハックを執筆。 大人の発達障害の壁にぶつかり、人様の助けを借りながら試行錯誤の毎日。ドロップアウトしたっていいじゃない。
発達障害当事者によるゆるい発達障害話

ADHDとASDの当事者の、ストラテラ服用にまつわる色々とか、仕事の話とか、ライフハックとか。

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